☆☆☆

陸の怪我は思ったよりも大きいものだったようで、化学の時間が終わる前に保健室へ行くことになった。


そしてD組に戻ってきたときには右手の指は包帯でぐるぐる巻きにされていた。


「そんなに大けがなの?」


さすがに美紀が心配そうに言う。


「放課後病院に行くことになっちまった」


陸はチッと舌打ちをして答えている。


バカ力が自分に戻ってきた結果だ。


「思ったよりも効果があったみたいだね」


陸の様子を見て夢は満足そうにほくそ笑んでいる。


あたしは頷く。


あれだけの怪我になったのなら、十分に復讐したと言えるだろう。


もちろん、これくらいのことであたしたちの気分が晴れるわけじゃないけれど。


「ねぇ、次はどうする?」


夢はせかすように聞いてきた。


早く次の復讐を行いたくてウズウズしている様子だ。


「待ってよ、まずはあたしへの損失が終わってからだよ」