それにつられて教室の中が笑い声に満ちていく。


不意に陸がクラスメートたちを睨みつけた。


今自分がみんなから笑われているということに、やっと気がついたみたいだ。


「笑うな!」


必死に怒鳴ってみんなを黙らせようとしているが、それよりも笑い声の方が大きくて陸の声はかき消されてしまう。


なにより、クラウカーストトップの美紀が笑っているのだから、笑い声が止まるはずがない。


あたしはふふっと小さく声を出して笑った。


些細なことだけど、陸にとっては屈辱的なことに違いない。


いい気味。


そう思ったのだった。