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それからあたしと夢は陸に注目して授業を受けていた。


いつ、どんなタイミングでアプリに入力したことが実行されうのか、ドキドキする。


「次は移動教室だね」


休憩時間になり、夢が化学の教科書やノートを持って近づいてきた。


「そうだね」


返事をしながら準備をして立ちあがる。


今のところ陸に変化はない。


どこに行ったのか、休憩時間に入るとすぐに教室から出て行ってしまった。


せっかくだから目の前で陸が痛がる顔を拝みたいけれど、うまくいくかどうかまだわからない状態だった。


でも、教室でモタモタしていてはまた美紀たちに絡まれてしまう。


あたしたちはできるだけ集団の中に溶け込んで行動をしなければならないのだ。


あたしと夢はそそくさと教室を後にしたのだった。