☆☆☆

次の投稿日、2年D組に入るとすぐに夢が駆け寄ってきた。


「何て書いたの?」


あたしの耳元に口を寄せて質問してくる。


「学校のドアで指を挟むって書いたよ」


説明すると、夢は一瞬にしてつまらなさそうな顔になってしまった。


「たったそれだけ?」


「だって、陸には最初の復讐だよ? これからエスカレートさせていけばいいじゃん」


そう言うと、夢はしぶしぶと言った様子で頷いた。


夢からすればさっさとひどい復讐をしてしまいたいのだろう。


あたしも同じ気持ちだけれど、やはり損失が怖くて簡単にはいかない。


これから徐々にエスカレートさせていって、損失がどんなものなのか見極めていく必要があった。


「今日は陸に注目しておくといいよ」


あたしはそっと夢に伝えた。


せっかく復讐ができても、自分たちの目の前で行われないと面白くない。


だからわざわざ『学校で』と記入したのだ。