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自宅に戻ってきたあたしはさっそく陸の写真をアプリに取り込んだ。


一体どんな恐怖を味わわせてやろうか?


陸にはさんざん痛い目にあわされてきた。


できればそのすべてをお返ししてやりたい気分だ。


でもそれはできない。


さすがにあれだけのことを記入すると、その分損失も大きくなるだろう。


「う~ん、やっぱり難しいなぁ」


あたしは腕組みをして部屋の中を歩き回った。


陸にしてやりたいことは沢山ある。


例えば、あたしがやられたように前髪をわしづかみにして引きずりまわしたい。


思いっきり突き飛ばして怪我をさせたい。


他にもやってやりたいことはあった。


「仕方ない。陸には初めての復讐だし、最初はこんなもんでいいかな」


あたしは呟きながら『学校のドアで指を挟む』とアプリに記入したのだった。