そこでこんなアプリを手に入れたのだから、神様とか、天使とか言いたくなってしまうのだ。


「ね、そうとなったらもう1度アプリの説明をちゃんと読んでみようよ」


「そうだね」


あたしは頷き、《恐怖アプリ》を表示させた。


1、恐怖を与えたい相手の写真をアプリ内にUPします。


2、アプリがなんらかの恐怖を相手に与えます。


3、相手に恐怖を与えることにより、利用者も損失を負います。


「この恐怖って、自分で決めることもできるんだね」


夢が画面の下を指さして言った。


そこには恐怖の内容を自分で決めて記入することもできると書かれている。


アプリのやり方が気に入らなければ、自分で決めればいいのだ。


「でも、自分にも戻ってくるんだからあんまり激しいことは書けないよね」


そう言うと夢は一瞬唇を尖らせて、不服そうな表情を浮かべた。


しかし、次の瞬間にはいつも通りの笑顔を浮かべている。


「今度は自分でなにか決めてみたらいいよ」


「そ、そうだね」


今なにか言いたそうだったけど、気のせいだったのかな?


「次は誰にする?」


身を乗り出して聞いてくる夢。


2度も靖で試してみたから、今度は違う人がいい。


でも、選ぶのはもちろん4人の中からだ。


「やっぱり、陸かなぁ」


あたしは呟くように言う。


すると夢はゆっくりと頷いた。