「……寝ていいよ」
私はそう言って、大人しくそのままでいた。
すると、柊木善が突然顔をこちらに向けてきたことによりバッチリと目が合ってしまった。
きれいな二重に、高い鼻筋、薄い唇の右端には小さなほくろがある。
あまりに顔が整っていて、私は思わず目を逸らせなくなってしまった。
私と柊木善の顔の距離は10数センチで、見上げてくるこの角度の彼の破壊力はやばいかもしれない……。
私はドキドキが柊木くんにバレないように必死で抑えた。
「嫌じゃないんだ?」
それなのに、自分から頭を乗っけてきた柊木善は意地悪そうにそう言ってくる。
……いや、って言うつもりだったよ。
自分でも自分の気持ちがよくわからない……。
「凛李といると落ちつく。なんでだろ……」
柊木善はひとりごとのようにそうつぶやくと、そのまま30分ほど眠りについた。