「え?ひざ?」
言葉の意味を理解できない私そっちのけで、柊木善は私の太ももに頭を乗せてソファの上で横になった。
「えっ⁉︎ こ、これはどういう、こと……っ⁉︎」
「どういうことって、横になりたいから横になったんだけど」
「いやいやいや……! 頭乗っけるのはクッションのほうがいいんじゃない……?」
「ひざ枕、好きなんだよね」
……そう言われましても。
あなたがいくらひざ枕が好きだからと言って、恋愛未経験の勉強しか興味のないこの私のひざに普通寝ますか……?
だからといって、強引にどかすことはできない。
初めてのことにドキドキとくすぐったさと……いろんな感情が入り混じり、じっとしていられない。
「凛李が嫌じゃなきゃ、少しだけこのまま寝たいんだけど」
横を向いている柊木善がどんな表情をしているのかわからない。
……そして、この状況が不思議と嫌じゃない自分がいることに驚いている。
恥ずかしいし、さっきから柊木善の髪が太ももにかすれてくすぐったいのに……このままでもいいかなと思ってしまってる。