「凛李といると自然とそうなるんだよ」

「……守りたくなるのね?」



善のお母さんがそう言うと、さすがに返事をするのは恥ずかしかったのか、善は自分の髪の毛をくしゃくしゃした後に突然私の肩を抱いた。



「じゃ、俺も凛李も塾とバイトで疲れてるから一旦部屋に戻る」

「ええー、もう戻るのぉ?」

「質問攻めにあうのいやだから。しばらくこっちにいるんだっけ?」

「1週間はいる予定よ」

「わかった」



私は善に肩を抱かれたまま、有無を言えずいっしょにリビングを出ることになった。
そのまま善の部屋へ連れて行かれ、そこでやっと私の緊張の糸が解けた。



「まさか、お母さんが気づいてたなんて……」

「やっぱり母親ってすごいな」

「本当にね。甘くみちゃいけないって今回で学んだよ」

「でも、そのおかげで凛李のお父さんにも許してもらえたからよかった」

「え? 許してもらえないと思ってたの?」

「うん」