……すると、教室で私と善が付き合っているのかと最初に聞いてきた同じクラスの女の子が話しかけてきた。



「あのときは失礼なこと言ってごめんね。さっきの2人を見てたら、すごくうらやましくなっちゃって……」

「……」

「柊木くんと若菜さんがどうしてって思ってたけど、今はお似合いだなって心から思ってる」

「……ありがとう……」



その子の後ろにいる子たちもニコニコしながら私と善を見てきて、「これからもがんばってね」と言ってきた。

悪口を言われなくなって落ちつくのを想像していたけど、まさか応援されるとは……。
反応に困ってしまい、ひとまずお礼の言葉しか返せなかった。

私と善は手をつないだまま教室までの道を歩いた。
学校の中で手をつなぐ日がくるなんて思ってなかったので、なんだか体がふわふわする。
学校で善がそばにいることがまだ慣れない。

……卒業するまで慣れそうにはないけど。