そんな私でも、さっきの2人の雰囲気からして……ただふざけていただけではないのはわかる。
家に帰った私は、その日のは授業をまともに聞けなかったので授業の復習をした。
ある程度終わったところでのどが渇いたので、飲み物を取りに部屋を出た。
まさかのそのタイミングで帰ってきた柊木善に部屋の前で鉢合わせてしまった。
ここで無視するのも不自然だよなと思い、「おかえり」と私が言うと、「ただいま」と無表情で柊木善が返してきた。
「……彼女、いるんだね」
私のその声に、柊木善は自分の部屋のドアノブに手をかけたところで動きを止めた。
わざわざこんなこと言わなくていいのに、どうして私の口は勝手に動いてしまうの。
なにも言わない柊木善を私はさらに問い詰める。
「今日、階段のところで女の子とキスしてるところ見たよ」
「……彼女じゃない」
「え……彼女じゃないの……?」