いきなりそんなことを言われて、心臓がはねる。

なにそれ、すごくカッコいい。
乙女ゲームなら一発でノックアウトだ。だけど。

もしかして、昨日の話、進んでる……⁉

「えーっと、冗談じゃ……」

会長か、川西先輩が、あははと笑って「冗談だよ」と言ってくれることを期待した。

だけど、岸会長は、そのまま視線をそらさずに、

「昨日は悪かった。誤解されたかもしれないから言っておくけど、俺は全員が楽しく通える学校づくりを目指してる。そのためには、お前の望むマンガアニメ同好会の存続とも真剣に向き合うべきだった」

「か、会長……?」

マジメな声色でそう言って、会長はどんどん話を続けていく。

「だけどやっぱり、部の存続のことは、今期で引退する俺が今からくつがえせる問題じゃない。だからやっぱり、当事者であるお前がやるしかないんだ」

「わ、わたし……生徒会やるなんて一言も……」

「とりあえず、俺の雑用係として生徒会に関わってみるのはどうだ? そこから、自分にできそうかどうか、決めればいい」

……雑用係? 生徒会でもなんでもない、わたしが? 
 そんなこと、できるの?