「はいっ、それじゃあいったん点滴外すからパジャマに着替えちゃおうね」

「あ、はい…」

バッグを開け、パジャマを取り出して素早く着替える。

病棟内は古いけどキチンと温度管理がされており、初春だというのに全く寒くない。

冬用のパジャマだとむしろ暑いくらいだ。

冷たいベッドに入り込むとすかさず看護師さんが外した点滴を再びつける。

…いまって、いちいち針出し入れしないで刺しっぱなしで点滴だけ入れ換える感じなんだなぁ。

なんて、ぼんやり思っていると、ハッ!と肝心な事を思い出した。

「あっ、あの…っ!旦那さんは…っ、」

「あぁ、必要な書類だけ書いて貰って帰ったわよ」

「えっ!?」

帰ったの!?

「ふふ、貴女に付き添いたかったみたいだけどね。時間も時間だし、ここ一応相部屋だから遠慮してもらったのよ」

だからそんな顔しないでね。と微笑む看護師さんに全て見透かされたと恥ずかしくなったわたし。