「本来なら入院は3日後の予定ですが、斎藤(さいとう)先生が何回も救急外来に来るより入院した方が良いとの判断されたので、このまま入院しちゃいましょうか!ねっ?」
午前1時17分。緊急入院、決定。
「それじゃあ旦那さんにはこれから入院に関する手続きしてもらいましょうかね!?奥さんはこのまま車椅子で病室に向かいますよー!」
激しい痛みと、痛み止めの点滴が効いていて頭がボーッとする中での入院。
わたしよりも若いんじゃないかと思われる黒髪だけど、今時の髪型をした男の看護師さんに車椅子に乗せられて真っ暗でシンッ…と静まり返った院内の廊下をひたすら進む。
…これ、ひとりだったら絶対怖いやつだ。
色々と想像してしまい、ひいぃぃっ!と叫びそうになるのを必死で堪えた。
「ふっ…、夜の病院って怖いですよね」
わたしの心の叫びを知ったか知らずか看護師くんが優しく声をかけてきてくれた。
「あ、あははっ…。怖いですね…。ひ、ひとりでここを歩けと言われたら無理ですもん」
「ははっ!ですよねぇー」
笑い声がバカみたいに響くなぁ。