「頼む!教科書貸してくれ!」
授業が始まるからだろうか、人の少ない廊下に俺の声が響く。
今俺が頭下げてる相手
渚は、8歳の頃に転校してきてそれからずっと家が隣という事もあり、とても仲がいいはずだ。
「はぁ?またかよ…」
荒っぽい口調だが、周りからはモテるし容赦はかっこいいと言うよりも可愛いと思う。
ぶつぶつと言いながらも貸してくれる、やっぱ優しいなと思いつつ
「さすが渚!!!今度また漫画貸すわ!」
笑いながらもそんな事を言うといつもノってくれる
「絶対貸せよ」
適当な返事を返しながら走って自分の教室に帰る、もうすぐ予鈴がなる頃だろう。