──『別れよう、私たち』


そう考えて出した決断に


『少し時間が欲しい』と、
琉輝に言われてから今日で2週間。


ほんとうは最後にもう一度だけ会いたい。


でも好きだけじゃどうしようも出来ないから。


このまま自然消滅(しぜんしょうめつ)した方がいい、
そう思っていたら──


「夕蘭!遅くなってごめん……!」


午後の面会に琉輝が息を切らして突然やって来るなり、箱をぱかっと開いて中の指輪を見せる。