「は?」
黒澤先生が、手を止めて私を見る。
「慣れない実習で毎日大変ですよね。休み時間も生徒たちに囲まれて休む暇もないですよね。わかります」
黒澤先生のことを思って言ったのに、思わぬ声が飛んできた。
「あんたってバカがつくほどお人よしなんだな」
なっ……!!
「だから岡本にもいいように使われんだよ」
言葉のとおり、バカにしたように鼻で笑いまた手を動かす。
ううっ。
……ですよね。
こんな地味子に慰められるなんて、黒澤先生のプライドが許さなかったのかも。
「で、次は?」
「……砂利の中のゴミを取るので、水を入れてよくかき混ぜてください……」
「はいはい」