怖いと思いながらも、岡本先生の頼み事じゃ仕方ない。


「あの……まずは、このグッピーたちを、別の水槽に移動させるんですけど」


言われたように、黒澤先生に掃除の仕方をレクチャーしようとしたら。


「テキトーにやっといてよ」


「……」


……どうしよう。


黒澤先生に教えるっていうのが私の仕事なのに、黒オーラ全開の黒澤先生に、なすすべがない。


この人、仮にも今は「先生」だよね?


先生にそんな態度をとられたことなんてないから、びっくりする。


しょうがないから、ひとりでグッピーたちを移動させた。


結局水槽の掃除をすればいいんだよね。誰がやったって関係ない。


とにかく早く終わらせて帰ろう。


「今から掃除しますよー、ちょっと狭いけど移動しててね」


グッピーたちに声をかけながら、別の入れ物に移し替えたところで。


「……うそうそ。で? 何をすればいいわけ」


黒澤先生が、私の横に立った。