嶺亜は中学に入学してすぐのころから、ずっと萌花ちゃんのことが好きで。
告白して振られても、先輩とつき合いだしたときも、ずっとブレずに萌花ちゃんのことだけを好きだった。
嶺亜もすごくモテるから、その間何人もの女の子に告白されたけど、一回もなびかなかった。
遊びでつき合うなんてことも、もちろんなくて。
そんな一途な男の子、なかなかいないと思う。
家では結構いい加減なところがあるけど、そういうところは我兄ながらすごく尊敬できるんだ。
だから、萌花ちゃんが嶺亜の気持ちに応えてくれた時は、ものすごくうれしかった。
「私はきっと、からかわれてるだけだよ」
泥棒と間違えちゃったことで「面白い」なんて言われたし。