大袈裟だなあなんて思いながら笑って返すと、新城くんが真顔で言った。


「跡残ったら、俺が責任とるし」


「ん?」


どういう意味だろう。


首をかしげると。


「残らなくても、俺が責任取る」


ますますわかんない。


「えっとぉぉ……」


「んんっ」


軽く咳払いした嶺亜は、「邪魔者は退散するわ」と意味不明なことを言って、この場から去ってしまった。


え? え?


「今はまだわかんなくてもいいよ」


新城くんはニコッと笑うと、身をかがめて私の頬に手を当てた。


どくんっ。


新城くんの顔がだんだん近づいてい来る。


えっ、なに……。


すると、頬の傷口に凪くんの唇が優しく触れた。


「……っ!!」


温かくて柔らかい感触。


「傷が早く治るおまじない」