「つうか、よく凪も入って行ったな。あいつら、巷でもウワサの不良だろ?」
「乃愛が傷つけられたかと思ったら、頭に血が上って我を忘れてた」
新城くんの言葉に、胸がどくんって鳴った。
「……ありが、とう」
守ってくれて、すごく嬉しかった。
「あんなの見せてごめん、怖かった……?」
私はふるふると首を横に振る。
怖いなんて言ったら失礼だよね。
私のために、そうしてくれたのに。
「傷、痛くない?」
そうだ、どうなってるんだろう。
ブレザーのポケットから鏡を取り出して見てみると、少し皮がむけて赤くなってい
た。血は出ていない。
「跡残んねーだろうな」
嶺亜が顔をのぞきこんでくる。
「だいじょぶ、だよ」