「彼女に当たったの気づいてねーのかよ!」
新城くんがそう言うと、金髪男子がチラリと私に目を向けた。
ひぃぃぃぃっ!
鋭い目つきでにらまれて、全身の毛が逆立ちそうになる。
「知らねーよ」
彼は、ペッと床に唾を吐くとぶっきらぼうに放った。
「はあっ!?」
うわぁぁぁ、新城くんもうやめてぇ~。
声を出したくても、恐怖で声が出ない。
どうしよう、新城くんのきれいな顔に傷がついちゃったら。私の顔なんかより、大
問題だよ!
「よく見てみろよ! お前のそのごつい指輪で顔が傷ついたんだよ。どうしてくれんだよっ! 女子の顔に傷つけていいと思ってんのかよっ!」