練習にもあまり身が入らないままその日の部活が終わった。


男だらけのむさくるしい部室で着替えを済ませ、


「お疲れー!」


最後の奴が出て行って、嶺亜と二人きりになった部室。


それを見て、嶺亜が切り出した。


「で、話って?」


いつものへらッとした感じがない。真剣な話だと悟っているのだろうか。


そんな重い話じゃないんだけどな。


余計に言いにくくなったが、俺は腹をくくって言った。


「その、俺……好きになっちまったみたいなんだ」


「……」


返答がないから一気に言ってしまおう。


「お前の──」


「ちょ、ちょっと待ってくれよ」


嶺亜は急に両手を前に突き出して、俺を静止させた。