「いーっていーってその事は。それよりさ……」
新城くんがグッと顔を近づけてきた。
な、なにっ?
この間の放課後みたいに、顔をじろじろ見られて落ち着かなくなってくる。
「あのピンク色のお風呂、乃愛の趣味なんだって?」
「へっ?」
思わぬことを言われて一瞬固まってしまったけど。
……そうか。
泊まったんだから、お風呂も入ったんだよね。
嶺亜ってば、余計なこと言わないでほしいよ。
こんな地味な私が、あんな可愛らしい色と香りのお風呂に入ってるなんて似合わないもんね。
「可愛い趣味してるじゃん」
新城くんは、顔を近づけた顔をくしゃっと綻ばせた。
「……っ」
だから、その破壊力……。