新城くんの手がランチボックスに伸びてきて、並んでいるサンドイッチから一つをすくっと取り上げた。


手、きれいだな……。


男の人って感じにごつごつしていなくて、指も爪もきれい。


長袖シャツを肘まくった腕からは、筋が浮き上がって程よく筋肉がついているのがわかる。


どきどきどきどき。


やっぱり同じ男の人でも嶺亜と全然ちがう……!


嶺亜で慣れていたはずなのに、全然男子に免疫ないんだなって改めて思った。


「うーん、レタスがシャキシャキしててうまい! これ、新鮮で高価なレタスだな」


「……2つで198円のお買い得品です」


お母さんが、いい買い物ができたって嬉しそうに報告してきたっけ。


「うっ……値段じゃねえよ。料理の腕がいいから、レタスも喜んでシャキッとした
んだよ」


「ふ、ふふっ」