「う、うん。お弁当くらいは自分で作ろうと思って……」
「えらいんだな」
「そ、そんなことないよ」
褒められるのになんて慣れてないから、なんて言っていいのかわかんない。
ただでさえ、新城くんと一緒にお昼ご飯を食べてるっていうことが、ドキドキしてたまらないのに。
アッシュグレーに髪の毛を染めた新城くんは、すごく目立つ。
染めてなくても、新城くんっていう存在はもともと目立つ。
てことは、私もいま、ものすごく目立っているんじゃ……!
どどど、どうしよう。
考えれば考えるほど、落ち着かなくなってくる。
「それ、うまそうだな」
おにぎりをほおばる新城くんの目線は、私のランチボックスへ。
「……」
なんだか、すごく物欲しそうな目。
食べますか……? なんて言ったら図々しいかな。