それに、ついこの間のことがあるから警戒しちゃう。
平田さんに日直の仕事を頼まれて、机を拭いていたとき。
急に現れた新城くんが、机を拭きだしたと思ったら……。
あれって……壁ドンってやつだよね?
おまけに首すじを触られて、声が出なくなっちゃった。
少女漫画で起こりそうなことをリアルにされて、ドキドキが収まらなくて大変だったんだから。
「ひとりなの?」
「えと……萌花ちゃんが……嶺亜とごはんを食べてるから……」
「なるほどね」
納得したように軽くうなずいた新城くんは、
「じゃあ、俺と一緒に食べようよ」
持っていたビニール袋を掲げて見せた。