あまりに幸せすぎて、私は凪くんの胸の中でまどろんじゃって。


「……ん」


目が覚めた時は、すでに部屋の中は真っ暗だった。


「起きた?」


目の前から、凪くんの声。


「やだごめんっ……私寝ちゃって……」


「大丈夫だよ。乃愛の寝顔、すごく可愛かったし」


そう言って、髪を撫でてくれる。


その……初めて凪くんと結ばれて、そのまま寝ちゃうなんて……ああ……。


ほんとうは幻滅してたりしないかなって不安になったけど。


「もっともっと乃愛が大好きになった」


ぎゅっと抱きしめてくれた。


素肌の凪くん。体温が直に伝わる。


「可愛い、好き、大好き」


恥ずかしげもなく、いつも凪くんは私への想いを口にしてくれる。


だから私も凪くんへの好きがあふれていく。


好きなんて感情がなければ良かったのに、なんて思ったこともあったけど、やっぱりそういう感情があるから、私はいまこんなに幸せなんだ。


凪くんを好きになってよかった。


だから私もこれからもいっぱい伝えたいな、自分の気持ちを。


「私も凪くんが大好き」


そう口にすれば、ちょっと驚いて目を丸くした凪くん。


そんな彼の唇に、私からはじめてキスをした。




*fin*