ドンドンと凪くんの胸をたたくと、今度は食べるように私の唇を奪っていく。
うひゃっ!
「ははっ、可愛い」
何度も繰り返すその行為に、なんだか遊ばれてるような気になる。
「んーーー」
足をバタバタさせると、ようやく両手を離してくれた。
「凪くんのイジワル……」
ちょっとふてくされてみれば、
「これでも全然乃愛が足りないんだけど」
同じように、唇を尖らせて不満そうな凪くん。
私も……凪くんが足りない。
じっと見つめあう私たち。
薄茶色の瞳がすごくきれいで、吸い込まれちゃいそう。
「ねえ乃愛」
「……な、に?」
「乃愛がほしい。だめ?」
「……っ」
それがどういうことか、わかってる。
怖くないって言ったら嘘になる。
だけど。
私だって、凪くんが大好きだから……
「だめじゃ、ないっ……」