下は用意されていなかったから、そのまま出ると。
「お、ピッタリじゃん」
凪くんはそう言うけど、足元がスースーして少し恥ずかしい。
「スカートと同じくらいの長さだから問題ないよね? 下手に短パン履いても、そ
っちの方がブカブカでおかしいと思うんだ」
「うん、これで大丈夫だよ。ありがとう」
「じゃあ俺入ってくるから、テキトーにくつろいでて。あと、あったかい紅茶入れておいたから」
そう言うと、今度は凪くんがお風呂場に消えた。
絨毯の上に座って、紅茶をいただく。
6階からの眺めはとてもよくて、街全体が見渡せた。
雨はもう上がったみたいだけど、普通ならまだ明るいのに今日は天気が悪いせいかすごく暗く感じる。
うちは割とごちゃごちゃと色んなものが置いてあるけど、この家のリビングはとってもシンプルだった。
凪くんは毎日ここで生活しているんだなあ。そう思うとなんだか不思議な感じがする。