足が進まなくて、へっぴり腰になっていると、


「ほら早く。もたもたしてると俺も一緒に入っちゃうよ?」


そんなのもっと無理っ!!


「ええっ! は、入りますっ」


そんな脅しに、私はお風呂場へ飛び込んだ。


確かにぬれたシャツをずっと羽織っていたせいか、体はすっかり冷えていて、熱いお湯を浴びた瞬間生き返ったようだった。


助かっちゃったな。


でも、好きな人の家でお風呂に入るなんてドキドキしちゃうよ……。


お風呂を出るとTシャツが用意されていたから、それを頭から被った。


「わ、ぶかぶか……」


凪くんのものらしく、太ももの真ん中あたりまですっぽり覆われる。


なんだか凪くんに包まれているみたい。