「今の乃愛、エロい」
「え……」
そんな声が落ちてきて、一瞬思考が停止する。
私の思ってることがバレた……?
いや、ないないないない。そんなことあるわけないと思って、何のことだろうと考えていると。
「自分で確認して」
そう言われて視線を下に落とすと、とんでもないものが目に入った。
「ぎゃっ!」
思わずはしたない声が出ちゃった。
だって。
「それはヤバい、だろ……?」
「……だね」
私は素直に認めた。
だって、雨に濡れたブラウスの下からは、ブラが透けてくっきり見えちゃってたんだもん。
は、恥ずかしい。
私を抱きしめたかったんじゃなくて、隠そうとしてくれたんだ。
ヘンなこと考えちゃってた自分がさらに恥ずかしい……!
「乃愛、上着なんて持ってないよな」
「うん、ない……」