「きゃー!!」


「うっわ、まじか!」


凪くんは私の頭の上にカバンをかぶせてくれるけど、そんなのではどうにもならない勢い。


冷たい雨は、私たちをあっという間に濡らした。


制服も体もあっという間にびちゃびちゃ。


公園は頭上の見通しがいいとこばかりで、雨をしのげるところがなくて。


右往左往して、なんとか軒のある場所へ入って雨宿り。


「こんな急に降るとか反則だろ」


凪くんは腕の水滴をはじきながら、恨めしそうに空を見上げる。


「うん。今日は雨の予報じゃなかったのにね」


だけど、さすが9月だけあって雨の日は多い。今日は久しぶりに雨が降らない予報だ
ったから、デートの日に天気の神様が味方してくれたんだと思っていたのに。


おかげで折り畳み傘も持っていない。