出来れば目立ちたくなかったけど、凪くんが言いふらしちゃって。
河村さんにはちょっとにらまれてる。でも、べつに悪いことをしているわけじゃないし、堂々としてようって思うんだ。
「元気にしてるの?」
「え、私? なんで?」
どうして私に凪くんの安否をたずねるんだろう……?
もしかしてつき合ってることバレてる!?
え、どうして!? と密かに焦りだしたとき、
「なんでって、乃愛同じクラスでしょ?」
「あー……そ、そうだよね……」
私は目を泳がせながら、大きくうなずいた。
そっか、そういうことか。私ってば早とちりしちゃった。
「ぷっ、そうじゃない。おかしい子ね」
お母さんは笑いながら首をかしげる。