俺は我慢できずに、乃愛を抱きよせキスをした。


夢みたいだ。


乃愛が俺を好きだなんて、これっぽちも気づかなかった。


「んっ……」


キスの合間に漏れる可愛い声に、もう理性はぶっ飛ぶ寸前。


この可愛い可愛い乃愛が、俺のことを好きだって言うんだから。


我慢できずに体重を乗せると、俺たちの体は重なるようにしてベッドに倒れた。


「ね、ねえっ、誰か来たらっ……」


さすがに家族がいる中での行為には警戒するのか、俺の胸に両手を押し当てる。


「大丈夫。嶺亜に誰も来ないように見張っててって頼んでるから」


朝まで部屋を使ってもいいよとも言われたが、それはさすがにな?


「それとも、乃愛はやめてほしい?」


意地悪な質問だと思う。