少しかすれた声でそう言った凪くんは、壁に掛けられた時計を見て。


「あれ?」


次に私に視線を戻す。


私が帰ってきたからもう夕方だと思ったみたい。だけど時間はまだ13時ちょっとすぎ。


「どうし、たの……?」


「喉、痛いの?」


問いかけられたことより、掠れた声に心配になった。どうやら本格的に風邪ひいちゃったみたい。


慣れない人の家での生活で、実は沢山神経を使っていたのかもしれない。


私が凪くんと一緒の生活で気が休まらないなんて思っていた比じゃないよね。


今さらそんなことに気づいた。