えっ?


凪くんを見ると机に突っ伏していた。


「おい新城、大丈夫か?」


授業は一旦中断し、先生が凪くんの元へ歩み寄る。


先生の問いかけに、凪くんはゆっくり頭を上げた。


その顔は少し赤くて、なんとなくぼーっとしている様に見える。


「ちょっと頭痛いっす……」


ざわざわっ。


「寝てただけじゃないのかよ」


近くの男子がそう言うと、みんなも驚いた顔をしていた。


だけど、優秀な凪くんが授業中に寝てるとこなんて見たことない。


「具合悪そうだな。じゃあ保健室に行くか」


先生がそう言うと、河村さんがすくっと立ち上がる。


「一人じゃ心配なので、私が付き添います」


言うや否や凪くんの元へ駆け寄り、体に手を添える。


凪くんは「わりい……」そう小さく言うと、差し出した河村さんの手を借りながら席を立つ。