「あ……」
この写真の存在なんてすっかり忘れていたよ。
今はもうこの姿に慣れたから、今更見るととっても恥ずかしい。
「すっごい探しちゃったよ。そしたら、今と全然違うからびっくりした」
そう言って肩をすくめる河村さんは、私のことを見定めるように目線を上下させる。
「メガネ取ったら実は美少女でしたってパターンか」
そして、ひとりで納得するようにうなずく。
うっ……これは、もしかして牽制してる?
だって、河村さんも凪くんを好きなんだもんね。
現れたライバルに、身構える。
警戒していると、唐突に核心に迫ってきた。
「藤森さんて、凪くんのこと好きなんでしょ」
やっぱり好きってバレてた。
告白現場を見て逃げたしたあの時の私を見れば、そう思うのは当然かも。
「うん」
隠すこともないし、私は素直にうなずいた。
正々堂々勝負するって決めたんだから。