「凪くんて、やっぱり河村さんとつき合ってるのかな。今朝もふたりで登校してきてたよ」
「ほんとにー? やっぱそうなの?」
平田さんたちのグループが、朝から騒いでいる。
ふたりで登校……というのはちょっと違って、通学途中で河村さんが待っているみたい。
そうすると、嶺亜は河村さんからの「邪魔」という視線を感じて、離れて歩くからふたりで登校しているみたいになるんだって。
嶺亜からその聞いた萌花ちゃんが、言いにくそうに教えてくれた。
つき合ってるなんて、嘘だもん。
私は凪くんから聞いたことだけを信じよう。
お風呂場にまで来て話しかけられたのにはびっくりしちゃったけど。
逃げまくっていた私に、あそこまでして事実を伝えてくれた凪くんの気持ちがうれしかった。
どうでもよかったら、あそこまでして話してくれないよね。