まさか裸の乃愛を俺が介抱するわけにいかず、なにも出来ずにその場で見守るだけの俺を見上げる嶺亜。


「……悪い……」


やべえ……。俺の話が長すぎて、のぼせたんだ。


「凪くん、この部屋借りるわね」


「はい」


和室の布団に乃愛を寝かせると、乃愛は、「んー」と軽くうなった。


よかった。意識が戻ったみたいだ。


おばさんと嶺亜も安堵の息を吐く。


何よりも、一番ほっとしたのは俺だ。


「一体どうしちゃったのかしら」


「すみません……。俺がドア越しに乃愛と喋ってて……それでのぼせたんだと思います」


「まあ……」


風呂に入っている娘にドア越しに長話する俺をどう思っただろうか。


嶺亜は何か言いたそうに俺をじっと見ていて、ばつが悪くてすぐにそらした。