クラスメイトだから、必然的に用があり話かける機会も今までにあった。
いつもうつむいたまま「うん」とか「はい」とかしか言わず、そんな態度にイライラすることもあったが……今日は……なんだかそそられる。
「こっち向いてよ」
顎に手をのせ、強引に俺の瞳の中にうつりこませた。
「……っ」
真っ赤な顔した藤森……、乃愛は小さく口を開いて、なんとか呼吸を整えているようだった。
俺は、彼女の素顔がどうにかして見れないか角度を変えて、その顔を眺めた。
化粧っけはまったくが、ないきめ細やかな肌は真っ白ですべすべだ。