めがけたのは、お兄ちゃんの部屋。
お兄ちゃん──と言っても、双子だから同い年なんだけどね。
──バンッ!
ポケットから取り出したメガネをつけて、勢いよく嶺亜の部屋のドアを開けた。
「嶺亜っ! 大変大変っ!」
犯人に聞こえたらまずいし、小声で助けを求める。
リビングにはパパもママもいるし、変に騒ぎ立てるとふたりが狙われちゃうかもしれないから。
「え、どしたの?」
ベッドでのんびりくつろいでいた嶺亜が、がばっと起き上がる。
突然の私の乱入に、びっくりしてるみたい。
「し、ししし下に変な人がいたの!」
「え? 変な人?」
「そう、きっとどろぼー……」
「嶺亜―、これでいいの?」
そのとき後ろから声がして、ニョキっと人影が現れた。