凪くんは、誰と出かけてるの?


さらっと口にしちゃえばいいのに、聞くのが怖くて口に出来ない臆病な私。


嶺亜なら知ってるはずだよね。


こんなタイミングで凪くんが誰かと一緒にご飯を食べてくるなんて、イヤでも河
村さんとじゃないかなって思っちゃう。


想像は悪い方へ悪い方へ働く。


「なに、気になんの?」


再び嶺亜の声。


箸を口にくわえたまま、目線だけ私に向ける嶺亜には何かを感づかれているのかも。


「う、ううん、べつに」


私は慌てて箸を口に運んだ。


──ガチャ。


夕食後、リビングでテレビを見ていたら、玄関が開いた音がしてビクッと体がはねた。


自分の部屋にいなかったのは、凪くんがいつ帰って来るのか心配だったから。


はじめは部屋にいたんだけど、気になって気になって落ち着かなくて。