「今日ね、凪くん外でご飯食べてくるんだって。律儀にちゃんと夕方電話までくれたのよ」
「うそ……」
誰と……? 胸がざわざわする。
「腹減ったー」
お風呂から上がってきた嶺亜が、タオルで体を仰ぎながら席に着く。
バスケ部関係の人たちと出かけるなら、嶺亜も一緒に行っているはず。だけど、べつに何の用事もなく家に帰ってきているってことは。
もしかして、相手は河村さん?
「なに、どうしたの?」
「あ、ううん。なんでもない……」
凪くんの席を見つめすぎていたのか、嶺亜から声をかけられてしまった。
「あ、凪なら、今日メシいらないんだって」
「うん、お母さんから聞いた」
そう言いながら椅子を引いて私も座るけど。