「凪ばっかずりーよなー」


「俺も手作りクッキーもらいてえ!」


周りの男子は凪くんを冷やかし、凪くんは照れたように笑う。


「ごめんなさい。凪くんは特別なんで」


にっこり笑ってそう答える河村さんに、また盛り上がる男子。


「聞いたー?」


「うわー、まじ死ぬーーーー」


凪くんは、やっぱり河村さんが好きなの……?


もう私の居場所はないの?


問いかけるように視線を送っていると、凪くんがこっちに顔を向け、目があった。


……っ。


咄嗟に逸らしてしまった。


凪くんが他の女の子と仲良くしているのを見るのは、やっぱりつらいよ……。