「このクラスに新しい仲間が加わることになった。じゃあ自己紹介して」
「河村真帆です。よろしくお願いします」
声まで可愛い。
凪くんも見惚れちゃってる……?
と不安になりながら様子を窺うと、凪くんは転校生をじっと見つめていた。まばたきもせずに。
えっ。もしかして、凪くんも一目惚れしちゃった……?
……しゅん。
しょうがないよね。こんなに可愛いいんだもん。
私はわかりやすく気持ちがずーんと沈んだ。
「凪くんっ!」
ホームルームが終わると可愛い声が教室に響いた。つられて声の方を見ると、
「会いたかったぁ~~」
河村さんが凪くんに抱き着いていた。
「……っ!」
なんであんなこと……そう思ったのは私だけじゃないみたい。
クラスメイトのほとんどが、そんな姿を見て呆然としていた。