「ど、どうぞ……」


少し緊張しながら返せば、ドアはすぐに開いた。


「どうし、たの……?」


「なんか眠れなくてさ」


「そ、そっか……」


ここへきて5日目になるけど、やっぱり家とは違ってゆっくり休めないのかもしれ
ない。


「人の家だと落ち着かないよね。そうだ、今日は嶺亜のベッドで寝る?」


このベッド、寝心地いいって言ってたもんね。


「そうじゃないよ。乃愛とふたりっきりだと思ったら、ドキドキして眠れない」


どくんっ。


さんざん色んな事してきたのに、今更そんなこと言う?


まっすぐ歩いてきた凪くんは、ストンと私のベッドに腰掛けた。