うるせえうるせえうるせえ。
昨日までだったら何も感じなかっただろうに、今日は無性に腹がたった。
そのままそこで待っていると、女たちがたらたら階段を下りてきた。
やっぱり平田だ。あとはいつも一緒にいる取り巻きたち。
「……っ、凪くんっ……!」
俺を見た女たちはビクッと肩をあげ、声の調子を変えた。
「これから部活?」
「……ああ」
「がんばってねっ!」
「今度試合見に行くね~」
そう言ってなに食わぬ顔で下へ降りて行こうとするから、俺は声をかけた。
「あのさ」
「えっ、なに?」
呼び止めたのが嬉しかったのか、女たちは尻尾でも振るかのように笑顔をこっちへ向けた。