お鍋の中でぐつぐつ煮立つミートソースに顔をほころばせる凪くん。
落ちた気持ちも、そんな声を聞けば一気に浮上。
「もうすぐ出来るから待っててね」
そう言いながら、まるで新婚さんみたいだなあ、なんて思った。
夕飯の支度がととのって、凪くんも手伝ってくれてテーブルにパスタとサラダが並ぶ。
ダイニングテーブルに、向かい合わせに置かれた二人分のご飯。
いつもは大勢な分、やっぱり寂しいなあと思う。
「いただきます」
フォークにパスタをくるくる絡めて口へ運ぶ凪くんをじっと見てしまう。
口に合うかな。大丈夫かな……。
「わ、これめっちゃうまい!」
素直にそう口にしてくれて、ほっと胸をなでおろす。
「乃愛、今すぐにでも結婚出来るんじゃない?」
「けっ……!?」