そして、金曜日。
お母さんたちは、私が学校に行っている間に北海道へ旅立ってしまい。
部活を終えて帰ってきた嶺亜も、いそいそと出かける準備をする。
それを見ながら私は途方に暮れる。
ああ……本当に凪くんとふたりっきりになっちゃうんだ。
いやじゃないけど、家族がいるときにもあんな凪くんが、ふたりきりになって大人しくしてるわけがないもん。
「じゃあ、行ってくるからな」
リュックを肩にかけて玄関に立つ嶺亜は、とっても嬉しそう。
そりゃあ、これから大好きな彼女と2泊のお泊りだもんね。
そんな嶺亜を恨めしく見上げる。
「いいな~いいな~。楽しんで来いよ~」